地球惑星科学

地球惑星科学に詳しくなりたい高校生・大学生が読むべき参考書

はらじょ

🌎地球惑星科学徒たち

(高校生)「地球惑星科学おもしろそうだな、大学での勉強を先取りしたいな。」

(学部生)「地球惑星科学科にはいれたぞ!とりあえず広く地学を勉強したいな、大学の授業で良い成績を取ったり、院試に合格するためにはどの本を読んでおくべきかな。

こういった悩みにお答えします。

 

🌎本記事の内容

  • 【必読】地球惑星科学の道に進みたい高校生におすすめの参考書
  • 【必読】地球惑星科学の道に進んだ大学学部生におすすめの参考書

この記事を書いている私は、2021年3月に地球惑星科学の修士を卒業。地球惑星科学の魅力に6年間どっぷりと浸かっていました。
そして先日、大学院での研究をまとめた論文が国際雑誌に採択されました。

この経験から思うことは、「地学系の大学院に進学する前に、絶対に読んでおくべき本がある」ということです。

大学院進学前に、これから紹介する本を理解しておけば研究生活は明るいものになると思います。冊数としてはそれほど多くはありませんので、しばしお付き合いください。

 

【必読】地球惑星科学の道に進みたい高校生におすすめの参考書

まず、この記事を高校生が読んでいたら素晴らしいです。その意欲だけでも、大学に入ってから周りの人を圧倒する力を持っています。

さらに、差をつけるために次の本をお勧めします。

まずは、高校の地学基礎の勉強からです。

みなさんは、高校で地学を履修していますか?日本では、理系クラスだと地学を開講している高校は少ないと思います。(実際、私の出身の地球惑星科学科では、高校地学履修者は1/45人でした…

この参考書は、私が教育実習で文系クラスに地学基礎を教える際に学習用として用いたものです。イラストがふんだんに使われており、最初の1冊として最適です。

地球惑星科学系の大学生になったときに、文系出身で地学を習った人から「そんなことも知らないの?」と言われないように、確実に学んでおきましょう。

 


これも高校地学を対象とした本です。地球惑星科学分野での有名人、京大教授の鎌田先生はご存知でしょうか?京大の講義「地球科学入門」は、数百名を集める超人気講義だそうです。

私は大学3年時に読みましたが、高校生にも理解できるように書かれているので、楽しく学習できます。このレベルのことを知っていれば、地球惑星科学系の学科に入っても物知りだと思われます。

 



いわずとしれた「面白くて眠れなくなる」シリーズ。地学に限らず、物理・数学など、理工学系に進学するなら、このシリーズは読破しておいた方が良いです。

 


上記に加えて、大学に入ってから特に勉強したいという分野の情報収集もやっておきましょう。特に入試に面接がある方は、絶対に学びたい分野の方は読んでおくべきです。

 

 

【必読】地球惑星科学の道に進んだ大学学部生におすすめの参考書

地球惑星科学系の学部に入学したみなさんは、これから単位を取得し研究室配属まで地学全般の勉強をしていくことと思います。

研究室に配属された後は選んだ分野を深く研究することになるので、配属前にこれらの参考書は読んでおきたいです。

 

【地惑入門】


地球惑星科学の入門編です。

多少、大学で習う微分方程式などを用いているので、大学1,2年時に読むのが最適かと思います。
とはいえ、難しい数式は一切使われていないので、入門編として全員が必読の書です。

 

【入門数学】


地球惑星科学においても基礎的な数学は重要です!(数学苦手な方もいると思いますが.. 私もその1人でした。)

数値計算系の研究室いけばばりばり使いますし、院試でも「地球惑星数学」は点数がとりやすいとして多くの方が選択します。
とはいえ、どの研究分野でも、学部生で習う線形代数・微分積分を基盤にして理論が展開されるので、習得しておけば研究・院試で無双できます。

 

【入門物理】




 

地球惑星科学を研究する上で重要な物理の分野をピックアップしました。
どれも入門書で、分量も多くありません。ただ、本の後半の章は少し難しいので、学部生段階ではスキップしても良いでしょう。

上記に加えて、惑星系に進みたい人は、量子力学や統計力学にも習熟しておく必要があります。


 

 

【入門化学】


現代地球科学入門シリーズは、この業界の大学生においてはお宝です。簡潔にまとめられており、レイアウトも見やすいので、地球化学はこれが圧倒的にお勧めです。

 


化学の新研究は、大学受験用の参考書ですが、大学でも十分通用します。
これを持っておくと、大学の授業でも使えるし、家庭教師や塾のバイトでも使えます。(少し重いので持ち運び不便ですが笑)

 

【スキル編①】統計学


スキル編では、地球惑星科学という学問ではないですが、理解を助ける手段として身につけておくべきことを解説します。

統計学は、地球惑星科学とあまり関係がなさそうに見える&実際院試でもあまりメインでは問われないですが、統計学を学ばずに大学院に進学するのはキケンです。

 

なぜなら、研究成果を主張するとき、それが統計学的に正しいのかを必ず議論する場面があるからです。地球科学研究を支える影の立役者は間違いなく、統計学です!

 

この分野で資格をお勧めすることはあまりないのですが、統計検定2級は良い目標となります。

この資格こそが、情報社会の今就活に大きく貢献します。(私は、日系のITコンサルを受けるとき、統計検定のこと話すと興味持っていただけました。)

 

 

【スキル編②:PCスキル(office, プログラミング)】


「世間はプログラミングだ、ITだ と言っているけど、地球惑星系の私は関係ないだろう」
こう思っているあなたに悲しいお知らせです。

地学を専攻していようとも、PCスキルがあるかないかで研究の進捗スピードが変わってきます。

 

具体的には、

  • 惑星の軌道を計算する
  • 地震の波形データから、震源位置を逆計算で導く

など、手計算していたらとても間に合いません。

 

計算や繰り返し作業を自動化して、自分のリソースを「現象を見て解釈する」というクリエイティブな時間に当ててこそ、理解が深まり、研究成果もあげることができると思います。

 

また、地球物理学系の学生には、IT企業に就職する人も一定数おり、プログラミングができると就活にも困りません。私自身も、学部3年生までPCを使う授業を避けるほど、機械が苦手だったのですが、今では外資系のエンジニアとして働いています。

この経験から、PCスキルは学問・就職に役立ち、研究室配属前に身につけるべき必須のスキルだと考えています。

 

【スキル編③】教職

地球惑星科学系の大学生こそ取ってほしい、資格のNo1は圧倒的教職です。
どうして、日本の地学はこんなにもマイナーなのでしょうか。

地学徒であれば知っているはずです。
そう、「学校で選択できなかった」からですよね。

どうして学校で地学が選択できないのか?
それは、地学の先生が少ないからです。

日本の地学の発展には間違いなく、高校までで履修する学生を増やすことが必要です。
にっぽんの将来に貢献してみませんか?

実際、就職難な理学部として、教職は持っておくと保険になります。
教育実習で地学を教えるのは凄く愉しいので、取得をお勧めします。

 

ここからは、各専門分野の入門書を紹介していきます。
上記①、②を読み終えたあと、研究室を決める前に読んでおきたいです。

 

【スキル編④】気象予報士

単純に、気象予報士の資格持っているとドヤれます笑
せっかく地学系の学部に進んだのなら、持っておきたいですね!

他分野の人と話すときも話題になりますし、ちょっとした小話も楽しんでくれます。試験勉強の過程で、気象学の知識も着きますし、一石二鳥のお宝資格です!




気象学の「バイブル」です

 

気象学の入門編として、最適な本です。すごく平易な解説でわかりやすいため、気象予報士までとるのはちょっとな〜って人もさくっと習熟できます。

 

地震・火山学入門書



現代地球科学入門シリーズです。地震学は数式多め、火山学は読み物って感じですこしテイストが違います。

地震学は波動方程式からがっつり物理をやっていき、火山学は、「火山物理学、火山化学、地質学、火山岩石学」などが広く浅く記載してあります。

 

古生物学入門書


化石について、がっつり学ぶことができます。

個人的には、カンブリア爆発が面白く、こんな本も読んでいました。


カンブリア爆発の解説

古生代カンブリア紀の初頭、約5億4千万年前から5億年前頃に、今日見られる動物のの多くが一気に出現した現象。先カンブリア時代エディアカラ動物群が衰退したのち、世界中で急激に種の多様化が進んだと考えられ、カナダのロッキー山脈で見つかったバージェス頁岩動物群が知られる。カンブリア紀の大爆発。カンブリア大爆発。

Goo辞書より

 

 

 

地球内部ダイナミクス学



地球のマントルや核について研究する学問です。
実際に目では見れない部分を対象にするので、地震波を使ったりします。

 

鉱物学・岩石学




岩石や鉱物を研究する際は、結構熱力学を使うので、研究室配属前に復習しておきましょう。

 

Kindle本を執筆しました!

本を読む少女

「地球惑星科学系の学生だけど、卒業後の進路に悩んでる」
「今高校生だけど、大学生活について知りたい」

こんな悩みを抱えている方へ向けて執筆しました。

この分野には情報が少なく、私も卒業後の進路については大きな不安を抱えていたので、気持ちがすごくわかります。

本書では、地球惑星科学科在学中に、教員免許を取得、国家公務員試験に合格、国際雑誌に論文投稿し、難関外資系企業内定した著者が自らの経験をもとに「地惑の歩き方(=大学生活の過ごし方)」を解説します。

これを読めば、あなたも有意義な大学生活を送り、卒業後も活躍する人材に成長できるでしょう。

読者限定で、無料特典も用意。期限つきなので、できるだけお早めにお読みください。


 

 

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